理想の恋愛関係
優斗君の言葉に嘘は無いと思った。


本当にお母さんの具合が悪くて病院に居て……そんな状態だったから、私の事にまで気が回らなかっただけなんだ。


そんな状況の優斗君に責めるような事を言ってしまった。


自己嫌悪に陥りながら、それでも少しでも顔が見たくて言った。


「今度じゃなくて今からにして欲しい。私、今から優斗君のところに行くから」

「……今からですか？」


気が進まないような声が返って来た。


やっぱり疲れていて、私と会う気力は無いのかもしれない。


断られたら、今日は無理強いはしてはいけないと思った。


けれど、意外にも優斗君は応じてくれた。


「分かりました……緑さんは今どこですか？ 中間で落ち合いましょう」


ただ、今日の待ち合わせ場所すら忘れていたという事が分かってしまったけれど。



改めて決めた待ち合わせ場所の駅に、タクシーを飛ばして駆け付けた。


キョロキョロと周囲を見回したけれど、優斗君の姿は見当たらない。


……さすがに今度は来てくれるはずだけど。


いくら何でも、こんな短時間で忘れられるとは思いたくない。



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