理想の恋愛関係
あれこれ悩みながら黙々と食事をしていると、優斗君がポツリと言った。


「そんなに、入るんですか?」

「え?」


何の事かと思い顔を上げると、優斗君は私の前にずらっと並んだ皿をじっと見ていた。


暗に食べ過ぎと言っているんだと気が付いた。


そういえば、優斗君の前でこんなに食べたのは初めてかもしれない。


いつもはガツガツしているところを見せない様に気を遣っていたから。


今日は他の事に気を取られていたせいで、気が緩んでいた。


なんとなく気まずくなりながらも、仕方ないので開き直って言った。


「私、結構食べるの。太らない体質だし、普段は好きなだけ食べる事にしてるの……大食いの女は苦手?」

「いや、そういう訳じゃないけど……ただ、以前何度か食事に行った時は、そんなに食べてる印象が無かったから」

「それは、気を遣ってたから、猫かぶってたの」

「は?! 気を遣ってたって、あれで?」


私の言葉に、優斗君は本気で驚いたような顔をした。


あれでって……優斗君に良く思われたくて、かなり頑張っていたというのに。


「遣ってたけど……気付かなかったの?」


私の方が驚いて恐る恐る聞くと、優斗君は迷う様子もなく頷いた。
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