理想の恋愛関係
やっぱり私はおかしいのだろう。


二度も振られて望みが無い事は痛いほど分かっているのに、まだ優斗君への想いが断ち切れないのだから。


でも……どうすれば、諦められるのか分からない。


こんな風に自分の感情をコントロール出来なくなるなんて……。



鬱々とした気持ちを抱えたまま、飲みに出かける気にもなれなくて真っ直ぐ家に帰った。




「ただいま」


この時間なら、どうせ誰も居ないだろうと思いながら声をかける。


母親は付き合いに忙しいし、兄も仕事で不在がちだし。


靴を脱ぎ二階の部屋へ上がろうとすると、リビングへ続く扉が開き楽な部屋着に着替えた兄が顔を出して来た。


「帰ってたんだ」


立ち止まり言うと、兄は私を手招きした。


……何なのだろう。


不審に思いながら近付くと、兄は私に自分の書斎に着いて来る様に言った。
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