理想の恋愛関係
付き合っている相手なんていない。


優斗君とはもう会えるかも分からないんだし。


報われない完全な片思い。


だけど、それすらも兄には言えなかった。


私がまだ優斗君に未練を持って追いかけてると知ったら、兄は激怒すると思う。


破談になった後も恥をかかされたとかなり怒っていたし、優斗君の事を相当嫌っている。


私自身は破談についてはもうこだわって無いけど、栖川家と二ノ宮家の間は険悪になってしまった。


兄がこれ以上、優斗君に辛く当たらなければいいけど。


この先もう関わる事は出来ないかもしれないけど、優斗君が苦しむ様な事は起きないで欲しいと思った。


それから何日が経っても、優斗君からの連絡は来なかった。


当然と言えば、当然なんだけれど。


今頃、優斗君はどうしているのだろう。


お母さんはまだ入院しているのだろうか……気になって仕方ない。


でも、呆れられる程しつこい私でも、さすがに約束を破って連絡する勇気はない。


私の心配なんて、優斗君には迷惑かもしれないし。


今度こそ本当に早く諦めなくちゃいけない。
< 93 / 375 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop