理想の恋愛関係
「人聞きの悪い事言うなよ。ただちょっと気になって調べただけだ。
そうしたら緑の見合い相手だっただろ？ 俺も全くの無関係じゃないからますます気になったんだ」

「何で無関係じゃない訳？」

「昔の恋人の見合い相手なんだから、気になるだろ？」

「……そんな事言ってるけど、本当はただ優斗君に嫉妬してるだけでしょ？ 年下の優斗君が自分よりずっと上の役職だから」


私のその言葉を聞いた瞬間、龍也の目が鋭くなった。


鈴香もそれに気付いたのか、話に割り込んで来て言った。


「二人共もう止めなよ、注目浴びてるよ。場所を考えて」


厳しい声に、私も冷静さを取り戻す。


「ごめん……」


鈴香にだけそう言ってから、龍也を見た。


龍也はまだ不機嫌そうだったけれど、さすがに周りの目は無視出来ないようで、もう何か言う気配は無かった。


「……鈴香、帰ろう」


私は鈴香を促し、足早に龍也の前から立ち去った。


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