今日私は死にました


「はい。」



ソファに座っている雅巳君に珈琲を入れて彼に渡す。
私も90度角度にあるもう一つのソファに座って一息つく。




「……さっきも聞いたかもしれないけど、どうして此処に?」



「………………。」



渡した珈琲をクリープとシュガー二つを入れて無言で飲む雅巳君はきっと甘党なんだなと答えを待つ間にふと思う。




「………よくわかんないや。なんだかんだ言って次の日にでもまた連絡来ると思ったら来ないんだもん。その次の日も待った、その次の日も。ルイが一週間連絡をよこさなかったら死んだと勝手に決めつけてたから本当に一週間以上経ったと気付いた時は車を飛ばしてたよ。」




「…………勝手に決めないでよ。」




「本当だね、フフ。」




また一口珈琲を飲んで彼が笑う。つられて笑うのは少しだけ嬉しいという感情は本音だ。





「死んでも良かったのにね。そしたら雅巳君に迷惑かけなくて済んだのにね。」




この感情だって嘘偽りない本音だ。




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