今日私は死にました
彼が玄関のドアを締めてさっきまで乱れていたソファに座って、我慢してたのを解放されたかのように顔を抑えてぽろぽろ涙を流す。
私と交わってる時、彼は本当に幸せだった?
私と交わってる時、彼の言葉は本音だった?
生まれ変わったらルイと一緒にいるよ。
どうしてもあの言葉は嘘に思えない程のあの雅巳君の表情が忘れられない。
冷たくされた方がマシだった。
突き放してくれた方がマシだった。
何故期待しているなら今すぐ棄てた方が良いよと言ったクセに、あの言葉を彼は口に出したの?振り回される私の姿を見たかったの?
上がって下がる私を見て楽しみたかったの?
でも彼はそんな人じゃないともうわかってる。
彼の切なる願いだと信じてる。
私よりも弱い彼を、今私が居なくなったら誰が彼を理解してくれるというの?
強いフリをして弱い部分を隠す彼を、誰が守ってくれるというの?
白い肌の臆病な子供のような羽の生えていない蝶のような彼に、誰が手を差し伸べてくれるというの?
暗闇の絶望の世界にいるのは、私じゃない。
雅巳君だよ。