今日私は死にました
「雅巳先生~、リム君が私のお菓子食べたぁ~!!」
「雅巳先生~!!!遊ぼう~!!!」
大きな二回建ての白い建物、庭には小さめだけどグラウンドもあり、鉄棒やシーソーブランコ、公園などにある遊具もカラフルに設置してる【河野学院】。
所長室でいつも書類など目を通して忙しい雅巳君だが、毎日各部屋に顔を出し、此処で生活している子供達一人一人と顔を必ず見ては会話する。
「雅巳先生……私、お母さんに逢いたい。」
泣きながら雅巳君に心が締め付けられる言葉を言うリカちゃん。
彼女は母親の重度の虐待で市から引き離されることを余儀なくされたが、あんなに辛く怖い思いをしても彼女は母親を追い求める。
「リカちゃん……リカちゃんのお母さんが強くなったら逢えるよ。もしくわ、
リカちゃんが強いお母さんになれば良い。」
雅巳君の今の言葉は、現実的な要素は抜けないがそれに夢と希望を付け加えている。
「それまで他の先生達や僕が君を守ってあげるから。」
「………うん。」