今日私は死にました



チャットの会話は相手が退室しても消えない。



番号をかかれた画面を開きながら、私は久しぶりに慌てて体を起こして紙とペンを探して急いでメモをした。



イタズラなら直ぐに番号を変えると言っていたが、逆にこの番号がイタズラではないのか?そう思っていながらも、これ以上の落胆はもう無いだろうと、メモをした番号に早速コールする。






プルルル‥‥プルルル‥‥プツッ



「もしもし。」


「もしもし?」




名前の横に年齢が書かれていた20歳~24歳の枠に当てはまる男性の若い声。




「……ルイ?」


「……うん。」



誰かに名前を呼ばれたのは久しぶりだ。その前に、心療内科のメンバー以外の誰かと話すのが久しぶりで、呼吸がしづらくなり息が荒くなって苦しくなる。



「ごめ……ちょっ……待ってね。」



ハァッハァッと息を整えているが、情けなくて恥ずかしい。
なんでこんな姿を電話越しで晒さなきゃいけないのよ。




「ルイ。」


「ハァッ…ハァッ…。」









「ルイ、大丈夫だから。ちゃんと待ってるから。ゆっくり深呼吸したら良いよ。」




うん、と、言いながらその落ち着いた声に徐々に自分が戻ってくる。



「……ごめん。」



「気にしなくて良いよ。イタズラじゃないだけマシだよ。オッサンの荒い息ならお断り。」



「フフっ。」






あれ、私。


今笑っているね。



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