今日私は死にました
「落ち込ませる為にルイに僕は番号を教えたわけじゃない。大丈夫。
ルイの願いはキチンと叶えてあげる。」
赤子をあやすような落ち着いた優しい声でまた私は落ち着きを取り戻す忙しい感情。
私の願いは
誰かに 殺 され る こ と。
「………うん。」
目的を果たせる為の弱々しい返事を彼に伝える。行動言動、何もかもがまともじゃない私は、まともに感じられない彼にこの願いを叶えてもらうのはピッタリなのかもしれない。
「でもね?人間の倫理に反することをするんだ。僕の条件を受けなければ、交渉決裂することを約束して。それをキチンと呑むなら必ずルイをこの世から消してあげる。」
「何を?どうすれば?」
「ルイ、今何キロ?」
何を言われるのか、息をするのを忘れかけていたのに急に拍子抜けする質問。だけど、
「わからない。最近計ってないから。」
「体重計ある?」
「え………と、あ、ある。」
洗面所の隅に忘れられた存在のようにホコリをかぶってある体重計を見つける。