今日私は死にました
「ただいま。………?」
泊まりの予定だった出張を最終電車で帰ってきたある深夜。携帯の充電は切れてしまい彼に連絡をしないで帰宅した。
当たり前の玄関、いつもの芳香剤の匂いに、
見覚えのあるファーのついたショートブーツ。
この時点で血の気は引いていた。最悪な展開以外思い浮かばなかった。玄関からでも聞こえてくる慌ただしいリビングの音がやけにリアルだったのを覚えている。
何故か他人のブーツをギュッと握り持ち、勢いよくドアを開けると、
彼の下半身下着姿と、親友の弥生の明らかに慌てて着た裏返しの彼のTシャツ。
「ルイ…な……なんで?あれ?今日泊まりって…。」
なんで?って、私が言う台詞だよね?