今日私は死にました
「ありがとうございました。」
先生と看護師に頭を下げて会計を待つ。パッと見精神安定剤を飲んでいるのかわからないような人達は沢山いる。
茶髪で可愛くセットされたオンナの人。
紳士そうな落ち着いた初老の男性。
人生終わった顔をしている人もいるけど。
この中に死にたいと思っている人は何人いるのかな。
処方された薬を渡され、病院の扉を開けるとフワッと風で髪の毛がなびく。
お手入れされていない黒髪のボサボサな私の髪の毛が顔について邪魔くさい。
長い髪が好きだと言っていた優ちゃんの為に伸ばしていたが、今の私は何も必要無い。
だって親友の弥生はおかっぱに近いボブの髪型だった。
結局髪型なんてどうでも良いこと。
毛先の枝毛がなんとも汚ならしいし、何も手入れされていない髪の毛は見た目も滑稽だ。
まして化粧も何もしていない素っぴんの女が重苦しい姿で街を歩いているなんてなんだか急に恥ずかしい。