今日私は死にました
もうぼんやりとしか思い出せない雅巳君の顔をハルシオンとデパスを飲んで、
彼は今日もお客に感情の無い瞳で愛想を撒いているのかなと、強制的に閉じられる現実と夢の間ギリギリで思った。
セックスしないの?
しとけば良かったかな。
そうしたらもう少し、彼の事を思い出させたかもしれないね。
寝る前に意図なく流れる一粒の涙。
生き地獄はいつまで続くのだろう。
涙はいつになったら枯れてくれるのだろう。
いつまで雅巳君の言った通り、可哀想な女を演じてなければいけないのだろう。
目を閉じるとそこは真っ暗な世界。
夢も希望も無い、ただ真っ暗な世界。
命尽きた枯れた花びらが敷かれたこの上で、羽も足もない私はいつ息絶えるのを待っていれば良いのか。
声が出ない、
もう声は出ないんだ。
「ルイ。」
その名前、本当は嫌い。
生まれ変われるなら、その名前は絶対嫌だ。
「ルイ。」
だから呼ばないで。
「ルイっ!!!」