【完】★☆恋愛パスポート☆★
クラスに入ると、女の子たちが、やはり、駅員の話をしていた。

「あっ、おはよう、奈々!」

そう声をかけてきたのは、一番の仲良し、森田夢乃(もりたゆめの)。

「奈々は、新しい駅員さん、見てきた?」

「あっ、うん。」

「いいないいな~~~今日見に行こうかな・・・」


自転車通学の夢乃は、駅を通らない。


「奈々、今日一緒に帰ろうよ・・・なんか写メとってる人もいるらしいじゃん。」

「写メ・・・そこまでしなくても・・・・」


私はなんだか優越感でいっぱいになった。


輝の正体を知ってるのは、私だけ・・・・・


これも「恋愛パスポート」のおかげなのかな?


そう思うと、私はカバンの中の「恋愛パスポート」と輝の名刺を確認し

ぎゅっと右手で握った。





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