【完】★☆恋愛パスポート☆★
猛は、しばらくの間考えこんでいたが、ようやく重い口を開いた。


「俺は、ホストをやめようかと思って・・・身体の調子があまりよくないし・・・」

「えっ、うん、このままずっとできる仕事ではないよね。」

私は素直に答えた。

「それで、奈々、俺、誰も知らない土地で、お前と暮らしたいんだ。

奈々、高校辞めて、俺についてきてくれないか?」

「えっ?」奈々はびっくりした。

恋愛パスポートは、返したのだから、これは今の猛の本当の気持ちなはずだ・・・・

「いやか?」

私は首を思わず横に振った。


これって駆け落ちみたいなもの・・・?

私は頭の中が混乱した。

「でも、駿とはどうするの?」

「あいつはもう自立してる。1人でも大丈夫だろ。それに別に会えなくなるわけじゃないから・・・」

「そっかぁ・・・・」

「お前が高校は通いたいなら、転校すればいい。それくらいの金はある。」

私は、あまりにも真剣な猛の姿に心臓がバクバクし苦しくなった。




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