【完】★☆恋愛パスポート☆★
「間に合った。よかった。奈々。」再び奈々を泣きながら抱きしめる和真。

「うっ、ゴホッ、ゴホッ」

「大丈夫か?」

首にはしっかりとロープの跡がついている。

なんとも痛々しい。


そして、その場から逃げようとし、玄関を飛び出そうとした猛を見て、

和真は、今度は襟元をつかみ、全神経を注いで、殴った。


「逃げるのかよ。お前最低だな。」

そうして二人の殴り合いが始まったが、ボクシングをしている和真に猛が勝てるわけなかった。

猛はその場に倒れ込んだ。




私は何が起きたのかわからなかった。

ただずっと和真が抱きしめてくれていたことだけはわかった。


ようやく落ち着いた頃、

私は「なんで?和真がここに?」小さなかすれた声で聞いた。
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