【完】★☆恋愛パスポート☆★
第20章 真実
「うるさい。お前が言うな。」猛はものすごい怒り口調で言った。

「俺はこいつの婆さんへの復讐のためだけに今まで生きてきたんだ。

なぜ、邪魔をするんだ。」


「奈々は孫だぞ。関係ないだろ。」和真も荒々しい口調で言った。


「婆さんを殺したって本当の苦しみなんてわかるものか、

家族をめちゃくちゃにされ、母親を自殺に追い込んだ婆さんなんて、許せるわけがな

いだろ・・・・

俺の家族は【恋愛パスポート】さえなければ、ばらばらになることもなかった。

俺が幼い頃、父親が【恋愛パスポート】を使い、他の若い女と家を出て行った。

そして離婚した。

何も知らない母さんは、2年前、今度は自分が【恋愛パスポート】を使って、若い男にのめり込んだ。

でも、パスポートの期限が切れて、男に捨てられた。

そして、俺の母さんはビルから飛び降りて自殺したんだ。

【恋愛パスポート】なんてなければ、俺の家族はめちゃくちゃになることはなかったんだ。

駿だって施設にいることはなかったんだ。


俺はずっとずっと婆さんを憎んでいた。そして、婆さんの大事な孫を同じ目にあわせ、自殺さ

せることが目的だったんだ。

俺は、ホストの輝、本名 「佐藤 崇」として、婆さんの元で働き、復讐するこの日を待

っていたんだ。


だから、婆さんは俺たちが双子だとは知らない。」


「役者をめざしていたからじゃなくて、おばあちゃんに双子を隠すためだったの?」

私は、震えながら聞いた。


「ああ、そうさ。これらの事件は婆さんは知ってるからな、双子だということを隠す必要があ

ったんだ・・・・・」

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