【完】★☆恋愛パスポート☆★
【回想】


猛の自殺後、泣きわめく私のそばに、和真はずっと黙って一緒にいてくれた。

「大丈夫、俺がそばにいるから。」

私は、そんな和真の優しさに溺れそうになっていた。


でも、気づいたんだ。

これじゃあ、「恋愛パスポート」から、私は何も学習していない。

また、甘えて元の私にもどるだけだと。



「和真、ありがとう。でも、私、しばらく1人で頑張ってみる。

桃華と猛の死を無駄にしたくない。」


「奈々・・・」和真はそう言って私を抱き締めてくれたが、

私は、和真の手を離した。


「私は、自分の道は自分で作る。もう何かに頼ったりはしない。

自分の力で幸せはつかむよ。これから先にどんな悲しい辛いことがあっても、

必ず自分で乗り越えて強くなって見せる。和真、これからの私を見てて、

私、絶対頑張るから・・・・」


和真は「わかったよ。でも無理だけはするな。」と優しく言った。


「うん、ありがとう。」









【The end.】














< 256 / 277 >

この作品をシェア

pagetop