明日の果て
「気に入らない奴がいるってだけだ。そいつをわたしの足下に這いつくばらせてやる」

「そ、そんなことで」

 信じられない、こんな神様がいるのか?

 そりゃ、かじった程度の神話にはそういう人間くさい部分もあったけど、あんなのは人間の想像でしかないと思ってた。

「たかが人間1人のために、マクバード様が貴様に従うとでも思うのか」

 マクバードの隣で、剣をすぐに抜けるように構えている男が睨みを利かせた。

 先ほど、マクバードを呼びに来た、緑がかった金髪の男だ。

「スーアサイド、過ぎるぞ」

 もう1人のマクバードの近衛──雷鳴の王スーアサイド──に、マクバードは静かだが語気を強めた。
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