明日の果て
 アレキサンダー本人はそれにさしたる抗議もなく、「それが当然だ」と言い放った。

 彼らは地位に対して、固執することは無いらしい。

 剛は、マクバードがどうして子供っぽく接するのか解った気がした──彼はそれを自覚している訳でも狙っている訳でもなく、ただ接する事の喜びを知っているだけなんだ。

 一番強い神なのに、その強さがマクバードの邪魔をしている。

 デイトリアは剛に「深入りはするな」と忠告していた。

 初めは意味がわからなかったが、こうして接しているうちにそれが理解出来た。
「そろそろ戻る」

 修理から戻ってきたデイトリアが剛を一瞥して発する。

「えっ!? もう?」

「うむ、そうか。とても楽しかった」

「でも……」

 剛は、微笑んで見送るマクバードを見つめた。
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