明日の果て
*存在
デイの助手を続けて半年が経っていた。
英語はなんとかマスターしたが、デイトリアは英語以外の言語の翻訳も手がけていて、それらに至っては背表紙だけを覚えるのがやっとだ。
「他のは覚えなくていいの?」
「覚えてもらってもかまわんが、日本ではあまり日常で耳にしない言語だろう」
「え、まあ……」
「私は助かるが、今後お前の役に立つかどうかだ」
「え?」
剛は、デイトリアが自分の事を考えて言葉を教えていた事を知った。
ジェティスとのつながりから切れた後の事まで考えてくれていたとは、さすがに驚いた。