明日の果て
 どうやら、嗜好品というものも無ければ、嫌いなものも無いらしい。

 黙々と仕事をこなすデイトリアの近くで剛は英語の本を読む。

 なんとかマスターしたレベルであるため、勉強をかかす事は出来ない。

「マクバードはこんな本も読んでたりするのかな」

「ん?」

 剛の読んでいる本はマザーグースだ。

「マクバードの神殿には無限図書がある」

 あらゆる書物が置かれている無限に続く空間には、新しい書物が今でも増え続けているだろう。

 新しい書物が増えるのをいつも心待ちにし、同じ書物を何度も読み返す。

「その本はマクバードの好きなものの1つだ」

「そう、なんだ」

 同じ本を何度も読み続けて、きっと中身だって覚えているんだろう。

 新しい本を待って、それもまた何度も読み返すに違いない。
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