明日の果て
 軽く説明されたが、頭が混乱しそうだった。

 つまりは、ずっと昔は人間で、剛と同じ時代を生きていた。

 力を手にして、マクバードと出会い、それから数百年ほど闇の世界にいて神になって数十年後に地球に──って時系列は無視していいのは解ってても考えてしまう。

 考えると訳が解らなくなりそうなので、すっぱりと諦める事にした。

「あ! ごめん、仕事中なのに」

 手の止まっているデイトリアを見て剛は慌てて謝った。

「かまわんよ」

 そう言って仕事を再開する。

 人間が、こんな凄い神族の仲間入り出来るのかと剛は感心したが、誰でも仲間に入れる訳では無いのだろう。

 きっと、デイトリアは特別だったのだと思った。

 神族の仲間入りだけじゃなく、絶対神の次の位になったんだから──

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