明日の果て
「彼は私とは違う」

 耐えきれないエネルギーの増大に苦しみ、その救いがマクバードだった私とは──

「どうして、事を憎まなかったんです?」

 あなたが苦しんだのは結局、人の意識のせいでしょうに。

「それを憎むことなど、私には出来んよ」

 私もまた、人だったのだから。

「未熟な存在だからと言ってしまえば簡単だが、だからこその可能性がある」

「それに賭けたってことですか? まあ俺も闇の勢力にいるわけですから、人は好きですけどもね」

 生憎、俺はあなたと違って初めから闇天使として生まれましたから、人という存在は謎めいていて解りにくい。
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