明日の果て
 これは何かの縁か?

 それとも受難の始まりか?

 後者が当てはまってる気がして、剛は泣きたい気分になった。

 昨日より広い場所と、周囲にある街灯の明かりで状況がよく見て取れる。

「今度は一体、何で言い争っているんだ? あいつ」

 耳をそばだてていると、なんとなく状況がわかってきた。

「いい加減にしろ。自分たちのやっている事が悪い事くらいは理解しているだろう。女性には優しくするもんだ」

 ジェティスは眉を寄せて男たちに発した。

 なるほど、こいつら女の人に乱暴しようとしたんだな。

 当の女の人はもう逃げたあとらしいけど。
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