明日の果て

「いらっしゃいませー」

 自動ドアが開き、剛が応える。

「剛くん、あとどれくらい?」

「あ、1時間くらいで今日はあがりです」

 レジを確認しながら発した。

「そう」

 30代ほどの女性はさしたる感心もなく返し、商品を棚に並べていく。

 深夜のコンビニに客はまばらで、あくびをかみ殺すのにも必死だ。

 あと1時間で今日のバイトは終わりという喜びに、レジ打ちも弾む。

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