明日の果て

 剛が目を覚ましたとき、記憶にある部屋にいた。

 しかし、何かが妙だとカレンダーを目にして、書かれていた日付に唖然とした。

 部屋もよくよく見ると、記憶と若干のズレがある。

 住んでいるであろう部屋は何故か馴染みが無く、記憶には確かにそこにある物がどうしてだか自分のものとは思えなかった。

 自分に何が起きたのか剛はしばらく考え込んだが、記憶以外にはこれといって難はなく、とりあえず病院に行って診察だけはしてもらったという次第だ。

 ただ1つ、決定的に違う事があった。携帯だ。

 スマートフォンに替えた記憶がないのに、持っていたのはそれだった。

 しかも、持った記憶の無いスマートフォンをスムーズに扱える自分にも驚いたものだ。

「どうなっているんだろう?」

 いくら考えたところで解る訳もなく、現在はコンビニエンスストアでのバイト暮らしをしているのである。


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