明日の果て
「赤……?」

「うん、すごいでしょ。こんなに綺麗な赤いカラコン見たの初めてで衝動買いしちゃった」

「そうか、そうだったのか」

「どしたの?」

 止まった歯車が動き出す──途切れた記憶を思い出して、なんか色々と腹が立ってきた。

「ごめん」

「え?」

「ごめん、俺……真里の向こうを見てらしい」

 立ち上がり、切なげに笑みを浮かべた。

「向こう? 記憶が戻ったの!?」

「真里のことは好きだけど、これ以上はダメみたいだ。荷物、全部持って帰って」

 呆然と見上げる真里を置いて部屋を出て行く。

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