明日の果て
「俺より感じ取る能力は当然、優れてるよな」

 そう考えると、こちらが近づく前に退散しているのだろうか。

「とことんかおい」

 悔しさに舌打ちをする。

 という事はだ、俺の記憶が戻った事にも気付いている可能性が高い。

 しつこく探し続ければ、再び記憶を消そうと現れるだろうか。

「こっちも感覚を研ぎ澄ませるしかなさそうだ」

 そんな事が出来るのか解らないが、何もしないよりはデイトリアたちに近づける。



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