明日の果て
剛は仕事以外をデイトリアとジェティスを探す事だけに費やし続けた。
何度、もう諦めようかと考えただろうか。
その度にマクバードの切なげな笑顔が脳裏を過ぎる。
探したとしても、デイトリアから距離を取っているのでは会えるはずもない。
それを充分に理解していても尚、追い続けた。
「はあ、やっぱ無理かな」
街灯がぽつんと佇むだけの深夜の道、疲れたようにうなだれてつぶやく。
おぼろにアスファルトを照らす街灯と、歩道横に植えられたツツジがそよ風に小さな音を立て、暑苦しさに多少の涼しさを乗せる。