明日の果て
「お前がジェティスに引き寄せられたのは、その資質を持っているためだ」

「資質?」

 心で聞き返す。

「人の中には、稀に強い魂を持つ者が存在する」

 その強さとは魂の清浄さではなく、ある意味において物理的なものともいえる。

「次元を越えた存在と成り得る魂」

 ここで死を迎えたお前は、魂の状態で問われることになる。

「天に昇り、魂の上位を目指すか、転生するか」

 私の使徒となるのかを──

「使徒」

 そうか、それがデイがずっと隠していたことなんだな。

 デイトリアによる記憶の操作は、死んだ後にも受け継がれる。
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