明日の果て
「なんだって? 俺が? どういうことだよ」

 ジェティスはゆっくりとこちらに向き直り、聞き漏らしの無いように遅い口調で答えた。

「おまえが俺と初めて会った日、おまえは俺の波長とかみ合った。だからおまえは自然と俺のいる場所に来てしまう」

「波長? こないだの夢みたいなこと言うんだな」

「あれは夢じゃない。おまえの幽体(ゆうたい)が俺の波長に呼ばれて飛んで来た。あそこの空間はただの幽体ではプレッシャーがきつい、消滅する処だった」

「マジかよ」

 信じらんねぇ、幽体離脱とか言うやつか?

 マジに勘弁してくれよ、オカルトとか嫌いなんだってば。

 どうしてだ、どうして俺の望まない方向に道が進む。

 そりゃあ、たまに刺激のある人生を考えたりするけど、それは今に不満が無い証拠で、俺は本気でこんな生き方望んじゃいない!
< 17 / 153 >

この作品をシェア

pagetop