明日の果て
 剛は苦い表情を浮かべて唸りを上げ、頭を抱えた。

「何か不満そうだな」

 そんな剛を見つめて、ジェティスはつぶやいた。

「当たり前だ! 俺は──」

「別に俺が悪い訳でも、おまえが悪い訳でもない。そうなってしまったものは仕様がないだけだ。深く考えないで慣れろ」

 この男、言うに事かいてなんてこと言うんだ!

「慣れろだって? こんな状況に慣れるなんて無理に決まってるだろ。何言ってんだよ」

「簡単だろう、立ち止まらずに通り過ぎればいい。立ち止まるおまえが悪いんだ。俺だって人間にこんな形で関わるのは意に沿わない。俺に対して疑問を持たなければ、そのまま自由な生活が送れるというものだ」
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