明日の果て
 言われてみればそうかもしれない。

 だが、人間は疑問を好む生き物だ。

 とりあえず、今の状況を聞いてみる。

「おまえ、何したの? 車燃えてるけど」

「言ったそばから質問かよ。そうだな、連続殺人犯を殺したと言えばわかるか?」

「連続殺人犯!? なんでこんなトコに……」

「警察の執拗な捜査に、車で逃げていたのだろう。俺は奴を悪しき者だとみなした」

「悪しき者? 悪人ってことか?」

「乱暴に言えばそうだ」

 ガードレールから崖下を見下ろしていた剛は、半ば現実味を失いながら発する。

「あんた、そうやって悪い奴殺して生きてんの? それって……」

「別に正義だと思っちゃいないさ」

 と、肩をすくめた。
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