明日の果て
 オセロという遊びを知っていることがこれまた不思議だが。

「じゃ、またな」

 スロスはそう言うと、翼をバサリと一度、羽ばたかせて颯爽と飛んでいった。

 ほんの少しの沈黙のあと、剛とジェティスの目が合う。

 ジェティスは「バレたか?」という顔をしているが、案の定バレている。

「あんたにも羽根あるんだろ?」

「妙に勘が鋭くてむかつくな、おまえ」

「見せろよ」

「見る必要ねぇだろ、ただの真っ黒なんだから」

「一応、確認しないとな」

 意地悪い顔をしてジェティスを見やる。

 鋭く睨まれたが、こいつと数回会っていて気付いたことがある。

 口も態度も悪いが、それはもしかして必然的なものなんじゃないだろうか。
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