明日の果て
「無視なんか、出来る訳ないだろ。こんな感覚いい加減にしてくれよ、俺は……」

「だったら俺の正体なんか気にしなければいいだろ。お前が、俺を、諦めないからこうなる」

「解ってるけど、教えてもらえないっていうのは嫌なんだよ」

 ジェティスの目が、一瞬真っ黒になったような気がした。

 黒い真珠がはめ込まれたような、そんな輝きが──

「無視してこの世界から出て行く事も可能なんだが、それはそれで他の弊害が出そうだし」

「絶対、勝手にどっか行くなよな!」

 我ながらガキの我が儘かよと自分に思ったりするが、ここまで教えてもらえないと逆に知りたくて仕方がないのだから仕方がない。
< 33 / 153 >

この作品をシェア

pagetop