明日の果て
「とにかく、出来るだけおまえに負担がかからないようにはするつもりだ」

 そう発して、ジェティスはゆっくりと遠のいていった。

 いつもならその場で消えるのに、なんで今日は──その答えはすぐに出た。

「今の誰?」

「! 恵美子? おまえいつから」

「なんでそんなに驚くの? 我を忘れて走り出すし」

 恵美子は怪訝な表情を浮かべて剛を見つめた。

「もしかして、女より男の方がよくなったとか?」

「はあっ!? 何言ってんだよ。そんな訳ないだろ」

 ちょっと変わった所はあるが、まさかそんなこと思いつくとは!

 いくらなんでも、そりゃないだろ。
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