明日の果て
「どうしましょう」

 呆けた剛に気付いたジェティスが、女性に意見を求めた。

「おまえの波長にしっかりと乗っとるな」

 どうしたものかと思案している。

 剛はそれをじっと待つしかなかった。

「名前は」

「佐藤 剛と言うらしいです」と、ジェティス。

「仕事は何をしている」

「え? えーと、サラリーマン」

「ずいぶんと幅の広い答え方だな。英語は」

「え? ちょ、ちょっとは……」

 なんでこんなこと聞くんだろう?

「ドイツ語は」

「無理に決まってんだろ」

「ふむ」

 なんだか思案している様子、彼女は剛をどうする気なのだろうか。
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