明日の果て
「ジェティスが言ったように偶然としか答えられん。人間と波長が合うというのは極めて稀だ。お前の精神がジェティスの何かと符号したのか、奴とお前との間に何かの干渉があったのか。今のところそれを解決する術は無い」

「あいつがこの世界から出て行けば解決するんじゃないの?」

「それはそうだが、強引に引きはがす訳だから何か別の障害が起こりかねん」

「でも、今まで無かったってことは無いんだろ? どうしてたんだ」

 問いかけると、心なしかデイトリアの瞳が曇ったように見えた。

「お前のように耐える者も好くながらずいたが、最後には記憶を消してくれと願う」

「 ! 」

「当然と言えば当然だろう。人には耐えられない事もある」

「でも、なんで記憶を消したらつながりが消えるんだ?」

「無かった事になるからだろう。波長が合った時につながりが出来てしまうのだから、その記憶を消せば波長が合わなくなる」

 説明し終え、再び案内を続ける。
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