明日の果て
「うわ、なんだこれ。本だらけじゃん」

案内された部屋に剛は声を上げた。

「翻訳をしていてね。お前にはその助手をしてもらう」

「翻訳家って儲かるのか?」

 聞いたのには訳がある──このマンション、かなりデカイのだ。5LDKで光回線も引かれている。

「さあ、どうだかね」

 とぼけて返したデイトリアにいぶかしげな表情を浮かべた刹那、剛は重大な事実に気がついた。

 考えたら女と同居になるのこれ!? 同棲になるんじゃないの?

「なにニヤけている」

「わぁっ!? ジェティス!? なんでお前がここにいるんだよ」

「お前1人をデイトリア様の元に置いておけると思ってるのか? 世間的にも問題だろうが。住み込みが2人という事にしておくんだよ、そうすればうるさいハエどもも黙らせる事が出来るしな」
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