明日の果て
「性別が無いのが不思議か? 俺は人間じゃないんだぞ。そりゃまぁ、天界の天使は両性具有だから変と言えば変かもしれんが」

「あ、やっぱりそうなんだ」

 そうこうしている内に、キッチンの方からいい匂いがしてきた。

 匂いに誘われて行ってみると──

「なに作ってんの?」

「ミネストローネ」

 デイトリアが鍋の中身をかき混ぜながら答えた。

「誰が作ったの?」

「私の他に誰がいる」
< 48 / 153 >

この作品をシェア

pagetop