明日の果て

*観察


「そういえば、ジェティスの目ってさ」

 同居を初めた剛は、本棚に本を仕舞いながらデイトリアに問いかけた。

 デイトリアの助手として暮らし始めた剛は、彼女が資料として使用した本を本棚に片付けている最中だ。

「なんだ。間違うなよ」

 嫌味のない物言いで返す。

「大丈夫だよ。それでさ、ジェティスの目って感情によって色が変わるの?」

「そういう訳ではないが。その本はそこじゃない、さっそく間違えているではないか」

「うっ!? 違うよ、英語だから間違えただけさ」

 10冊ほどの本を片づけ終わると、黒いノートパソコンを開いて作業しているデイトリアの隣に腰掛けた。
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