明日の果て
「それこそ失礼であろう。どんな理由があるにせよ、想いは込められている」

 生活できるアイテムだけを手元に残しているようだ。

 どうりで生活自体は質素な割に、家具や電化製品だけはやたら高価そうだと思った。

 栄養士かと思うくらい、バランスの採れた食事を作る。

 それがまた美味いとくれば、ちょっと幸せな感じも否めない。

 彼らに栄養バランスなんて関係無いだろうけど、剛の健康を考えてのことなのだろうか?

 そんな感覚に浸っていると、必ずジェティスが剛の様子を窺いにやってくる。

 剛はその度に、現実に引き戻されるのだ。

 解っているはずの現実──彼らは人間じゃない。

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