明日の果て
「ジェティスだ。忘れろ」

「なんだそりゃ」と、口には出さずに見つめた。

 ジェティスと名乗った男は、音もなく暗闇にかき消える。

「!? やべえ、ここにいたら疑われる」

 ハッとして、慌ててその場から走って逃げた。

 そうしてしばらく走ったあと息を切らせて立ち止まると、もうすぐマンションにたどり着く処まで来ていた。

「ハア、ハア。あいつ……。一体、何者だ?」

 すでに酔いの醒めた足で、夜風に震えながら家路についた。

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