明日の果て
◆第2章~その神族

*仕方ない


「で、どうするんです?」

「会わせるのは簡単だが、簡単に会わせる訳にもいかんだろう」

 遙か上空から、曲線を描く彼方を見つめジェティスの問いかけにデイトリアは答えた。

「簡単にって言いますけど、友達みたいに会えるのはあなたくらいのものですよ。俺なんて緊張して、とてもじゃないが会う気力がありません」

 会おうと思えば、ほぼ神族の中では最下層に位置するジェティスでさえも気軽に会える人物だが、ジェティス自身が気軽に会えない。

 とはいうが、デイトリアは闇の絶対神マクバードの次の位くらいに位置している次高神じこうしんである。

 いくらジェティスは直属の部下であるといっても、その口調は若干、軽すぎるようにも思える。

 とにかく、マクバードは誰にでも気さくだ。
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