明日の果て
*声
剛は変な奴に遭遇した翌日── 酔いが醒めていたのに、二日酔いはキッチリと訪れた。
「こりゃダメだ。会社休もう」
ズルズルと布団から這いだして携帯を手に取る。
「もしもし、佐藤です。すんません、体調不良で今日休ませて下さい。ハイ、すいません」
体調が悪いような声色で話すと、なんとか休みは取れた。
心配してくれる上司の声に、なんとなく悪い気はしながら布団に再び体をあずける。
しかし実際、気分は最悪だ。
目が覚めたら覚めたで、昨日の夜の事が脳裏を過ぎり眠る処ではない。
「あいつ一体、何だったんだ?」
クラクラとする頭で考えていたが、いつの間にか寝ていたらしく、剛は夢の中にいた。