明日の果て
 彼ら神族は【apeiron(アペイロン)】神族と呼ばれ、全ての神族の上位にあたる。

 それ故に力のコントロールが困難であり、制限も多い。

 例えば、デイトリアは闇の勢力に属している──4つの勢力の中では最大の力を誇るが、そのぶん回復能力に欠けている。

 自身の持つ治癒能力に頼らざるを得ない。

 生物に対しては、その血を飲ませる事により傷の回復がはかられるのである。

 アペイロンが支配する範囲の中には、人界は含まれていない。

 そのためか、彼ら神族を知る人間もほとんど存在しない。

「どうしたものかな」

 デイトリアはつぶやいて目を細めた。

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