明日の果て
「なんだか、大企業の社長さんみたい」

「俗物的な表現だが、例えとしては間違ってはいない」

 デイトリアの瞳からは、少しの怒りと苛立ちと憂(うれ)いが見て取れた。

 そんな風に自分の主人であるマクバードが利用される事は本当は嫌なんだろう。

 しかし、それも大切な業務なのだと納得させているように感じた。

「!」

 デイトリアの背中を追っていると、広い場所に出る。

 屋根も柱も無く、石畳がかなりの広範囲で敷かれていた。

 剛が荒野を眺めていると、建物の中からこちらに走ってくる足音が聞こえた。

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