明日の果て
目を開けると、色とりどりの空が剛を迎えた。
冷たい感触が背中に伝わり、寝ころんでいるのだと気がつく。
どうやら倒れたらしい。
「すまない」
上半身を起き上げ溜息を吐くと、右側から声がした。
「……誰?」
眉を寄せ、隣で腰掛けている見慣れない人物を見やった。
「デイが来たのがつい嬉しくて、エネルギーを抑えるのを忘れていた」
そう発し、にこりと微笑む。
腰より長い黒髪に、デイトリアと同じ赤い瞳の男──誰かは解らないけれど、人懐こい笑顔に剛も思わず笑顔を返した。
「マクバードの存在は強すぎてね。抑えておかねば人は意識を失う」
だから事前に言ったはずなんだか……と、左側に座っていたデイトリアが不満げに口を開く。