明日の果て
「じゃあ、ずっとここに? どれくらいいるの」

「さあ、いつだったかな。千年ほど前に抜け出して人間界に行った記憶が」

「千年前……桁が違う」

「デイの処にいるなら彼の料理を食べているのだろう。美味しいだろう」

 マクバードは話を逸らすように、別の話題を持ち出した。

「あ、うん。プロ並だよ」

 マクバードはそれに無邪気な笑顔を見せる。

 まるで、自分の事のように喜んでいるマクバードに剛は怪訝な表情を浮かべた。

 まさか神様から、こんな笑顔を見せられるなんて思いもしなかった。

 柔らかな笑顔というものは、心に安らぎを与えてくれるものなんだなと実感する。

 この2人はどこかしら似ていると剛は思った。

 目の色とかそういうんじゃなくて、どこなのかは解らないけど似てるんだ。

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